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[コメント] 海と毒薬(1986/日)

「社会派」の名折れ。衝撃的ではあるが、技術の洗練ばかり目について表現の熱さが伝わってこないのが残念。
ざいあす

見ていて、「この監督ってテクニシャンじゃん!」という感想ばかり湧いてくる。光と影のコントラスト、時折挟まれるイメージぽいカット、凝ったカメラアングルなど、洗練された印象がある。

「社会派」といえばまず訴えようとする問題意識というか、「熱いもの」を感じさせてくれないと。もちろんストーリーはかなりショッキングだし、手術シーンはまともに正視できないインパクトがある。でも、暗部をさらけ出したままでほったらかしな感じがするのだ。せっかく良心の呵責に悩む研修生2人まで登場させておきながら、「悪夢を乗り越えるもの」を提示してくれなかったのが残念。

淡々とした描写ながらも意図は明確でその技術もしっかりしてる。なのに熱さが伝わってこないのでちょっとイライラしました。それとも「冷たい映画」を目指していたんでしょうか?

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)たかやまひろふみ[*]

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