[コメント] イレイザーヘッド(1977/米)
自分が何を観ているのかわからなくなってくるような悪夢。神経逆なでの連続だが、それでも随所に「美しさ」を堪能できる。
かなり神経逆なでする映画。
モノクロだけど、明暗のコントラストがきつい。半分くらいが闇。古い屋敷らしいセットも雰囲気十分。低予算だけど、リンチ監督がとことんやりたいことをやった気がする。
主人公の歩き方をはじめ、登場人物のすべてがヘンな動き。セリフも独特の間。編集のタイミングもヘン。笑えるかんじもある。
神経逆なでの主な要因は音楽。つか音楽というよりも、常にブリキを生爪で引っ掻くような不協和音が流れてヤなかんじ。
それでも、ひとつひとつのカットがとても美しく惚れ惚れしてしまう。主人公がエレベータに乗るところだけでも、引きの絵のドアの造型からライティング、ドアが開いてから閉まるまでのタイミングなど、すべてが美しい。
後半の「アイツ」が産まれてからはさらにヘンな世界になるのだが、「それ」の形や動きにばかり焦点がいっちゃうので、ややゲテモノ的になり、それまでの崇高(?)な美しさが半減してしまうのが惜しい。それでもリンチらしいこだわりに満ちた「アイツ」だが・・。
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