コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 隠された記憶(2005/仏=オーストリア=独=伊)

作品の意図を認めるものの、結果として面白くない。「面白い映画は目指してない」と言われれば返す言葉も無い。★2.8点。
死ぬまでシネマ

私の解釈した「監督の意図」は、平穏な日常を過ごす心の中に潜んでいる「やましさ」を炙り出す事だろう(登場人物ばかりか監督自身も語っているのでこれは恐らく正しい)。それを観客に突きつける為の映画的演出として、不安を抱かせる画面作りに腐心している(でも、実際はこれは逆かも知れない)。

しかし、それが何だと言うのだ。画面から不安は感じられた。幼い頃の封印された記憶、国家の負の記憶と連鎖した個人の差別感情、仮面夫婦、親子関係、不倫…、この映画から炙り出された不安は、この映画だからこそ観客に突きつけてくるものでも何でも無い。

最後の衝撃的?なラスト、というが、ネタが判ろうと判るまいと、下手な小細工にしか見えない。監督は「犯人探しは目的ではない」と語ったそうだが、最早「犯人が誰でもどうでもいい」レベルにまで映画が堕ちただけの事だ。これでは『カル』('99年/韓国)の足下にも及ぶまい。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。