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[コメント] バス174(2002/ブラジル)

見捨てられたものによる悲痛な反乱。☆3.9点。
死ぬまでシネマ

国家政府による<棄民>の反乱と言えば『シルミド』('03/韓国)を思い出すが、この映画のサンドロは国家だけでなく、社会そのものから捨てられた棄民だ。1993年に起きたブラジル警察によるカンデラリア教会でのストリートチルドレン虐殺事件を、犯人のサンドロは生き抜いた。しかし子供たちを虐殺した警察はブラジル社会の代弁者でしかかない。逃げる場所もないサンドロは逃亡の要求すら出来ず、行き場のない怒りを訴える事しか出来なかった。人間の闇は深い。

この映画を視て考えた。日本にはどうしてこの種のドキュメンタリーが少ないのだろう? 浅間山荘事件やよど号事件、金嬉老事件に関してこうした問題提起は可能だったのではないだろうか?

(評価:★4)

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