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[コメント] 奇跡のリンゴ(2013/日)

2006年12月のNHK「プロフェッショナル仕事の流儀」を視ていたと思う。「こういうのはドキュメンタリーの方が佳いに決まってる、まぁ阿部サダヲの役者キャリアの一つなんだろな」と思っていた。滂沱、撤回。☆3.8点。
死ぬまでシネマ

冒頭少年期の性癖の描写でふざけたCG映像などがあり、些か憤慨さえしていたのだが、それは閾値を下げる罠であった。

内容に予想外な所があった訳でも無い。初志貫徹しただけの事なのだが、何がいいって阿部サダヲが佳い。加えて菅野美穂が佳かった。それでも、矢張り断然阿部サダヲが佳かったのだ。

自然農法、自然、いいじゃん、当たり前じゃん、という人もいるだろうが、農業は本当に甘くない。そして農家の人たちは日々本当に農地・作物とガップリ四つで取り組んでいる。そして楽しんでいる。その辺りは是非『いのち耕す人々』('06/日)を観て欲しい。だからこういう話で本当の事を伝えられるのは、当然ドキュメンタリーしかない、と思っていた。

でも人間を突き動かすものは何かと言えば、感情だ。信念だ。信頼だ。ドキュメンタリーと劇映画のガップリ四つを見た。

     ◆     ◆     ◆

代掻きというか 堆肥はその前に既にあって、伊武雅刀が林檎農家を演るだけで、オラ涙が出んだ。大河ドラマ「いのち」で主人公=高原未希(三田佳子)と結婚する岩田剛造(伊武雅刀)に、役所広司ファンであるにも関わらずオラは泣いたんだ。

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それと観賞時に考えたのは「良き妻と悪き妻」。時代錯誤な話かも知れないが、夫の芸術(美意識/こだわり/矜持)を理解する妻程頼れる存在はない。共に笑い、共に泣きたいものだ。

(評価:★3)

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