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[コメント] バイス(2018/米)

政治家を扱う映画はドラマを作らざるを得ず、それ故ファクトが頭に入らず、実録モノとしては結局詰まらなくなる。そんな弱点を覆す秘策は…。☆3.8点。
死ぬまでシネマ

ドキュメンタリーの手法との融合。いや「ドキュメンタリーとの融合」自体は大昔から試みられており、再現ドラマの挿入等が行われている。

ドキュメンタリーは劇映画と比べて集客が悪い。科学的事実の羅列や或いは一方的主張の場になりがちだから、ただ楽しみたい客からは嫌われる。ドキュメンタリー制作の側からの革命児としてマイケル=ムーアがいる。彼はショー的演出を極大化して訴求性を高め、観て楽しいドキュメンタリーを創り出す事に成功した。

この映画は、このドキュメンタリー側からの反撃を劇映画側が模倣する(パクる)、というアクロバットをやって魅せている。擬似ドキュメント方式をマイケル=ムーア的にやり抜いて魅せた。そして役者の再現度もピカイチである。

     ◆     ◆     ◆

日本人は本当に恵まれている。いま日本は戦争が出来る国ではないからだ。戦争が出来る国の指導者は、常に戦争を選択肢に入れる。選択肢に入れる事で自分があたかも重責を担っている様な気になるのだ。日本人は幸せだ、今の所は。やる事が煮詰まってくると、政権中枢はその選択肢を持ってみたい等と思い出す。

(評価:★3)

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