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[コメント] Away(2019/ラトビア)

持っている絵の道具とそれを使ったイメージ展開の勝利。☆3.7点。
死ぬまでシネマ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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このアニメには表情やセリフが無い。その代わりに圧倒的な風景の美しさや小鳥・亀の擬人化された行動が補完している。最初は『銀河鉄道の夜』や『レッドタートル』のような心象風景の描写を第一としたからだと思っていたが、その内にこれは作者の持っている武器(道具)の特徴を最大限活かした表現なのだろうと思い当たった。

ウユニ塩原を思わせる鏡面の映像は素晴らしいのに、この作者、何故か水しぶきや泡の表現には弱い(霞は表現出来るようだ)。登場人物は殆ど表情を変えないが、人間の表情を表現するのはCGではかなり難しい作業なのだろう。

最後に港を持つ町らしき場所に辿り着くが、他の人間は一瞬描かれるだけ。多人数の動きは動物以上に難しいだろうからねぇ、まして会話などあろうものなら。

持っている武器を最大限使ってこれだけの観客を魅了したのだから、その事を賞賛しない訳には行かない。でも私がもう少し見たかった部分はそこから外れていたので作品からオミットされたのだろうと思い当たると、少し残念であった。

(評価:★3)

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