[コメント] 漫画誕生(2018/日)
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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ユーモアの表現者と検閲官の対決ともなれば、当然『笑の大学』(04年)が思い起こされるが、こちらの方が微妙なネジれ感がある。風刺漫画の確立からスタートした楽天だったが、先鋭化する友人をよそに漫画の社会への定着に勤しむ。世相が怪しくなると、国策に迎合し積極的に生き残り策を講じていく。「ご高説を賜りたい」と楽天を誘い出した検閲官は、楽天や漫画芸術の本質が矢張り反国策であると暴こうとする。しかし楽天は漫画芸術の本質はもっと高みにあると訴える。それがあればこそ、今日の迎合にも大義があるのだ。では耐え忍ぶ中で本当に描きたかったものは何か?と問われると、… はて本当に描きたかったものとは??
我々も日々自分に言い訳をしている。じゃあ自由にやれ、何がやりたい?と言われたら何も出てこないのは非常に羞かしいものだ。そこで楽天の脳裏に浮かんだものは、いつも自分を微笑みで支えてくれた恋女房(篠原ともえ)の面影であった。検閲官は「見下げた人だ」と蔑んだが、フンまだまだだのう。
(篠原ともえは本当に綺麗になったよねぇ。やつれ顔なのでもっと若い頃… と思うと、若い頃はこんなに綺麗じゃなかったんだよな。不思議だ。)
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