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[コメント] ハチとパルマの物語(2021/露=日)

前半〜終盤までの物語進行はGood。1970年代のソ連の描写もリアルだし(知らないけど)、ドラマも撮影も実に堅実、ハートウォーミングな人情ものに高評価が期待されたのだが、最終盤の展開で残念ながら崩れ落ちた。☆3.6点。
死ぬまでシネマ

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犬の映画なのに犬の描写が…。犬のパルマが飼い主の<姿>を<見間違える>とは! 感動の再会の場面では、別に「待て」を指示されていないのに飼い主を見ても走り出さない。そんなワキャないだろう。コーリャとの感動の為に<元>飼い主を悪者にしてしまったが、冒頭の描写と噛み合わないし、<元>飼い主だけでなくパルマも心変わりした事になってしまった。そりゃ無いだろう。ロシア観客はそれでいいのか。

空港職員との700日戦争: 最初はいいとしてその後もパルマが空港を自由に走り回るのはどゆこと?

     ◆     ◆     ◆

パルマの物語は、ロシアでは2回ドキュメンタリー映画になっているそう。実際にはどうだったのかが気になる所だが、「Russian Beyond」というsiteに詳細が載っていたので紹介しておきます。(「ソ連版「ハチ公」物語」https://jp.rbth.com/lifestyle/86140-sorenpan-hachiko) <感動の実話>の映画化ではトンデモな脚色がなされるものだが、本作でもコーリャ少年の挿話は×ッ××ゲだった様ですね。まぁそれは想定内なので許します(笑)。

記事を読んで貰えると分かりますが、実際の<元>飼い主も本作同様にパルマを「捨てて」しまった様です。そこは残念な話ですが、新たな飼い主に引き取られ幸せになったのだから佳しとしましょう。

多分、パルマは空港の柵の外を走り回っていて、空港職員の間で有名になったのでしょうね。

     ◆     ◆     ◆

崩壊前のソ連は、女性の社会進出が世界トップクラスだったのはご存知でしょうか? とは言っても閉鎖的な組織の中では「男性思考」が幅を効かせない訳はなく、実質を伴わない<社会進出>、或いは(政治局員など)上位層には殆ど居ない、という状況だったのかも知れません。しかし50年後の現在の日本、まだドッコイドッコイじゃないですかね?

ドラッグ・ウォー 毒戦』('12/香中)のホァン=イーもそうだったけど、冒頭だけのモブだと思ってた可愛い娘ちゃん(ヴァレリア=フョドロビチ)が実は重要キャラだったりすると、なんだか得した気になるよね(笑)。

(評価:★3)

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