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[コメント] わが愛の譜 滝廉太郎物語(1993/日)

この10年借りては視ずに返すを何回か繰り返していたDVDだが、舐めていた。借り続けていて、良かった。☆3.8点。
死ぬまでシネマ

主演の風間トオルやヒロインの鷲尾いさ子の演技に不満がある方も居るだろうが、彼らのピアノ演奏場面には(吹き替えではあろうけれど尚)、感服するしかない。演奏技術を優先してのキャスティングかと思いきや、何と風間はピアノ初心者であり、配役内定後から1年も特訓を受けたのだという(澤井信一郎監督死去時の風間のコメントより)。

お嬢、檀 ふみ様もお美しく、見事な演じ振りで適役だった。

となると御大=木村大作のカメラワークが少々詰まらなくて残念。引きがベースなのは良いとしても、演奏中にはレールを使って少しは回り込んで欲しかったなぁ。

音楽に疎い私でさえ圧倒される西洋古典の素晴らしさ。音楽家の伝記としては『未完成交響楽』('33/独墺)にも劣らない風格と思ったのだが、残念ながら恋人?中野ユキのエピソードはフィクションだったのですね。モデルは居たようですが(幸田 幸=幸田 延(壇 ふみ)の妹でバイオリニストとして独へ留学)。

     ◆    ◆    ◆

23歳で夭折した滝 廉太郎だが、私の祖母の実家近くに住んでいたと親に聞いた事がある。当時近所で電話を引いていたのがご先祖の家しかなかったので、滝家の家人が借りに来たのだと言う。東京音楽学校の学生だった頃かとも思うが、滝本人とは伝わってないんだよなw。祖母が被災したその家も、関東大震災では真っ先に灰燼と化した。(滝本人は1903年没なので、震災は知らない) で、震災100年・滝没後120年にしてとうとう本作観賞となりました。

(評価:★4)

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