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[コメント] 祇園の姉妹(1936/日)

新藤兼人さんの解説がないと、当時の実感が伝わりません。
chokobo

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







DVDで拝見しました。

映画そのものの構図だとかカメラワークだとかカット割りだとか、いずれも上級の映画であることを認識しますが、この映画の本当の臨場感はDVDの特典映像で語る新藤兼人さんのインタビューがないと、ちと辛いかもしれません。

新藤兼人監督は、この映画のリアリズムについて細かく解説してくださっています。

当時は形式的古典的な映画が多い中、祇園という女の世界に踏み込んだばかりでなく、その会話の妙味とか、セットの美しさで、本当の祇園をリアリズムたっぷりに表現できたことを強調しているんですね。

そう言われると確かにその通りです。

特にこの映画に限らず、溝口監督作品の京都弁の見事さにはうっとりしますね。

この作品の溝口監督は36歳、脚本で抜擢された依田さんが27歳。そして何と主演の山田五十鈴さんが19歳という若さ。

スゴイことですね。これを聞いただけでも、DVDで鑑賞した意義があるというものです。

私たちは当時に戻ることができなくても、当時を知るための情報を先輩方からお聞きして伝承することは可能だと思います。

素晴らしい作品。見事な演技でした。

2010/03/01 自宅

(評価:★5)

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