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[コメント] ヒトラーの贋札(2007/オーストリア=独)

ヒトラーは出てこないのね。(2012/2/27)
chokobo

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







この記事のコメントを読ませて頂くと賛否両論、色々な意見があるようですね。さすがシネスケ。皆さんよく分析してらっしゃいます。

全体的にこの映画が美化しすぎているようにコメントされているようですが、私の考えはちょっと違って、ユダヤ人の内部でも葛藤はあったが、この主人公はあくまでも全体主義的な立場から的とにかく同じ収容所で過ごす同胞を全員守るという意思を貫いたという点だけで物語として成立していると思うんですね。

だから主義主張の違う仲間とぶつかりながらも密告はしない。結核になった仲間も最後まで守ろうとする。異端者を密告しようとする仲間を制止する。

結局、彼の行動は必ずしも報われませんが、戦争が終わって自由が訪れて、金に不自由しない生活を手に入れて、初めて虚無感を味わうわけです。

偽造紙幣を山ほど作ってきた主人公が戦争で仲間全員を守りきれなかった虚無感を実感するわけです。

不条理をあぶり出すには十分な物語だと思いますね。

映像も音楽も素晴らしくて、最初と最後の海のシーンはとても印象的でした。

(評価:★4)

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