コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] HACHI 約束の犬(2008/米)

優しさに包まれた素敵なお話でした。
chokobo

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







今でも思い出しますが『ハチ公物語』を確か渋谷のどこかの映画館で観たときのこと、前の席に座っていた老夫婦が二人して背中で泣いているんですね。

日本で作られたあの作品からもう20年以上も経過しているんですね。

そして実際のハチ公が渋谷駅で飼い主の上野教授を待っていたのが昭和29年のことだそうです。

時代は流れて、現代の美談としてアメリカでこの作品が作られるとは、それだけで感動できますね。

戸田奈津子さんの本にもありましたが、とにかくリチャード・ギアさんは日本好きで日本通であることが知らされています。この作品も彼の力で製作されたことがなんとなく伝わります。作品の中で剣道をするシーンや、日本から流れ流れてアメリカにたどり着くまでのシーンなどは、いかにも彼らしい表現に裏打ちされているような気がします。

メガホンを取ったラッセ・ハルストレム監督も、かなり無理のあるストーリーを自然に表現するために、彼独特の映像を駆使してすばらしい作品に仕上げていましたね。彼の作品はいずれも安心して見ることができますね。最後の終わりに必ず幸せ感が漂いますので、いまどきの映画としてはとても安心して観ていることができる数少ない名監督だと思います。

しかし、彼の取り上げる題材はこれかで必ずしも生易しいものではありませんでした。『ギルバート・グレイプ』にせよ『サイダーハウス・ルール』にせよ『シッピング・ニュース』にしたって決して安易な作品ではありません。そこには必ず家族が介在しています。

この作品でも妻とのことや娘さんのことなどを巧妙に作り上げて臨場感たっぷりに描いていますね。きっとアメリカでこういうお話を伝えても、果たしてどれほど忠犬の意味が伝わるかわかりませんが、この映画では冒頭にお祖父さんのお話として、少年がヒーローを語るシーンから始めています。日本でハチ公をヒーローと位置づける人は少ないかもしれませんが、このアメリカ映画では犬をヒーローにしています。

面白いですね。

2010/03/25 自宅

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。