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[コメント] 12人の怒れる男 評決の行方(1997/米)

ジャック・レモンジョージ・C・スコットが同じ画面で対峙する奇跡。(2012/4/10)
chokobo

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







これは奇跡だ。

この二人の対峙は有り得ない奇跡。

原作に忠実に、そして現代性も醸し出す。

人種や宗教や家族の崩壊など、よくもまあこれだけの情報を濃密に詰め込むことができるものだ。

しかも演技と言葉だけでこれだけの社会性を一気に示すことができるなんて。

このドラマの主役は

偏見

です。

偏見からの解放、それは自らを露わにする恥の行為。

ここに並ぶ陪審員全員が自らを暴露する。

中でもジャック・レモンジョージ・C・スコットのぶつかり合いは、この映画のもう一つの主役。圧倒される。

最後にジョージ・C・スコットが感情を頂点にし、自分の息子が親(自分)を殴って家出したことを暴露する。ジャック・レモンはそれに向かって「それはあの子(審判中の少年)ではない。」とつぶやく。このアップのシーンの素晴らしさ。

目にささやかな涙を浮かべているのは、ジョージ・C・スコットへの同情。 敵対関係が終わったことを示す素晴らしいシーン。

見事でした。

原作では陪審員が全員外に出て、劇中の閉塞感ん解放するが、この映画はそれをしない。

これもなかなかですね。

(評価:★4)

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