[コメント] 接吻泥棒(1960/日)
原作者に「俺は女はかけないからな〜」と言わせる辺り流石川島雄三。
今も変らない石原慎太郎の特性とは、日本人が最も苦手とする”白黒ハッキリさせること”を厭わない意思の強さ、換言すれば、あらゆる事物価値観を二項対立のカタチに単純化せしめるアメリカ的倣岸さを備えた”日本男児”であるという点に尽きるわけであるが、そんな原作の特性を一瞬で見極め、図式的合理的かつスピーディなアメリカンスクリューボールコメディに結び付けて演出した川島雄三はやっぱり物凄い天才だったんだなぁと痛切に感じた。
「大嫌いな慎太郎の原作でしかも本人がしゃあしゃあと出ているのがムカツク」といって退けてしまうには余りにも惜しい傑作。
それだけにボクシングシーンが無駄に長かったのは悔やまれる。
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