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[コメント] カルテット(2000/日)

「俺たちは仲間だったが、友達じゃなかった」。
Ryu-Zen

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







地方巡業の旅を見てて感じたのは、

彼らには結局のところ音楽しか拠り所が無いんじゃないのかなって。

弦楽四重奏は、単なる”見た目のカタチ”でしかなくて、

彼や彼女たちの間に、気を許せたり本音や弱音を素直に吐ける信頼があったのか。

人間として、腹を割った関係だったのか。

「俺たちは仲間だったが、友達じゃなかった」。

これは解散してしまったある洋楽バンドのメンバーの言葉だけど、

カタチにこだわるだけなら、音楽を通じた仲間は作れる。

でも、そこで交わされる感情が空虚なものに思えて仕方がない。

カルテットを通して育まれたものは、一体なんだったんだろう。

「俺たちはカルテットだ」。

これだけ時間をかけてたどり着いた場所が「仲間」だった、というのが寂しい。

結局は来年の夏のためだけに集まる仲間。

音楽は本当に素晴らしい。悪い点数をあげる気にならないくらい。

けど、音楽だけが拠り所で人と繋がれない人たちの淋しい映画だった。

(評価:★3)

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