ニューヨークとはこんなにもやさしいところだったのか。ハリウッド映画で見るニューヨークとは別物のよう。人間といっしょに呼吸し、生きているようだ。秋、そんな少し寂しげな感じもよく出ていた。

確信などないのに希望に満ち溢れて街をスキップするサイパン。それが恋ってもんでしょ。それが次には後悔の念を持って走るシーンになってしまう。あまりにも切なくて、それでも暖かい。

二人が笑顔で再会するラストも最高です。原題の「秋の童話」にぴったりで。このようなお話はどこにでも転がっている。いつでもどんなときでも「誰かが誰かを愛している」。自分はどうも、自我を押し殺した恋愛ものに惹かれるらしい。

誰かを好きになること、誰かを大切に思うこと。そんな素敵なことを思い出させてくれます。この素敵な邦題に釣られて多くの人に見てほしいなあ。