コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] そして人生はつづく(1992/イラン)

イラン北西部地震の被災地を再訪する物語だそうだ。目的地に向かう父と息子(少年)に、途中で出会う人々は口々に、たどり着く困難さを語る。オリーブ林のなかの乳飲み子と母親。地震直後に結婚したという若者カップル。世界とつながるために再建されるテレビアンテナ。
ぽんしゅう

そして礫のなかから生活必需品(の残骸)を見つけ出し担ぎながら山の急坂を登る人々。その淡々とした登板は“再建”の象徴であり、かつて彼らが日々繰り返してきた(アッバス・キアロスタミのどの作品にも共通して描かれている)営みだ。

最終シークエンスで描かれる“めげない坂登り”は、復興に向かって、そして復興のその先へと、延々と止むことなく続くことだろう。息子をともない被災地に出向き、その地の人々の営みを彼に見せる意義もまた、そこにあったのだと思う。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。