コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 抱擁のかけら(2009/スペイン)

複雑と直裁が織りなす感情のあやで、巧みに本筋を彩る「喪失」と「再生」の装飾や仕掛けを全部はがしてしまうと、そこには通俗的ともいえる不倫メロドラマと、ペネロペ・クルスという女優の揺るぎない存在感が残るだけ。これは恋愛映画の見本のような映画だ。
ぽんしゅう

つまりは、優れた恋愛映画というのは結局、「通俗」劇に生々しい感情が巧みにほどこされていること、そして、生身の女としての「女優」がいかに妖艶に撮られているかが肝だということだ。それをペドロ・アルモドバルは理屈を超えて、感覚と感情の赴くままにカタチにして実証している。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。