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[コメント] ジムノペディに乱れる(2016/日)

描かれている「男と女たち」と「性行為」の関係が、互いに触発されることなく、別々の素材として生臭いまま羅列される。だから、ただの紋切型の「濡れ場の多い映画」にしか見えないのだ。タイトルにまで冠したE・サティも効果的に機能しているとは思えなかった。
ぽんしゅう

次を思考することから逃避し自閉するドン詰まりの男(板尾創路)と、人の心の衰弱を本能的に察知し包み込もうとする女(芦那すみれ/岡村いずみ)たち。そんな男と女の理性や倫理を超えた「本能としての性行為」から滲む「人としての本性」の露呈がロマンポルノの醍醐味なのだ。

ところがこの男、芝居のカタチとしては退廃的で気だるい色香を漂わせるのだが、対峙する女たちとの交わりから、妖しさや狂気、悲しみや可笑しみといった「どうしようもなさ」がスクリーンからいっこうに立ち上がってこない。

(評価:★2)

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