[コメント] ジョギング渡り鳥(2015/日)
試行錯誤が生む多大な熱量をはらんだ物語の「断片」が、157分という長尺を費やした末に、鮮やかとは言えないが、かと言って強引にでもなく「人の寂しさ」という主題に武骨に収斂してくさまが感動的。ロバート・アルトマンの洗練の対極に位置する熱い群像劇。
示唆されるのは、それぞれに「居場所に対する不安」を抱え込んだ者たちが、互いに他者を求め合う衝動の連環こそが、存在し続けるためのエネルギー源かもしれないという想い。確かにそれは、果てなき大空の果てを目指す「渡り鳥たち」の群れに似ている。
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