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[コメント] 夜を走る(2021/日)

万事に優柔な秋本(足立智充)、気を見て狡猾な谷口(玉置玲央)、弱い者に高圧的な本郷(高橋務)。程度の差こそあれ身近にいそうな男たちだ。そんな奴らを日常から切り離し、あらぬ処へどんどん突き放していく。先の読めない負のスパイラルがスリリング。
ぽんしゅう

コーエン兄弟の諸作品を思い出していた。

先生(宇野祥平)の相手を賺(すか)して間を奪う喜と怒の瞬発。特殊廃棄物業者(松重豊)の相手を見透かし宙づりにする目線。その場の間合いと空気をキャラクターの“らしさ”で支配する二人の怪演には舌を巻く。

工場を出たり入ったりと車が頻出し、洗車機をくぐり抜ける車を車内から撮ったショットが二回登場する。汚れた客体(車)をいくら洗ったところで、運命を乗っ取らた主体(運転者)の行く末が変わるわけでなし。意志を奪われた者は何処にもたどり着けず、ただ堕ちるのみ。そんな暗喩だろうか。

(評価:★4)

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