[コメント] 地球はお祭り騒ぎ(2017/日)
寡黙な本田(今村樂)と饒舌な平山(渡辺紘文)。対照的だが東京へ向かう二人の心が"お祭り騒ぎ"なのには違いない。その道中、かつては存在したが、今はもう(理由は明かされないが)失ってしまった本田の「幸福」が示唆される。美しくも切ないその光景が胸を打つ。
そして平山(渡辺)に招かれたパーティで、本田(今村)が見せるの屈託ない笑顔に、「絶望」「悲しみ」「苦悩」のその先に、まだまだ続く(100年かもしれない)人生の光明を垣間みて、私はふただび胸を打たれた。
基本的に映画の構造は『プールサイドマン』(2016)と同じだが、その結末は見事に対称形を成している。この映画に溢れる多幸感は渡辺紘文の『プールサイドマン』への返歌(希望の提示)なのだろう。真逆といえば両作品に主演してる今村樂の容姿もまるで別人のようだった。
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