[コメント] 瞼の転校生(2023/日)
大人になって思えば、あまりに狭いけれども15歳にとってはそれがすべてだった「世界」が、ふとしたことで友の心情を知り触発し合うことで「次の世界」へとつながっていく。そんな誰にでもある経験が松藤史恩/齋藤潤/葉山さらの好演で爽やかに描かれる。
作為を感じさせない金子鈴幸の簡潔な脚本と、過度に感情を煽らない藤田直哉監督の節度ある演出に、素直に心を動かされいつしか目頭が熱くなる。とても気持ちの良い映画だった。
藤田監督は「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭」のグランプリ受賞者ということで、本作も当然デジタル撮影なのだがその画質の粗さが気になった。フィルム撮影ならモチーフとなった大衆演劇の白塗りや和装といった被写体の艶やかさがもっと楽しめただろうなと、ちょっと残念。
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