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[コメント] 紅の豚(1992/日)

これはきっと真男<まおとこ>の映画ではないと思うんです。
づん

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







この豚、かっこよさげに見えるだけで、実はそんなに男としてかっこよくないんだと思うんです。なぜかと言うと、女の私から見たら少しだけかっこよく見えたから。それに真男の映画を作るなら、きっと女はいらないと思うし、そういう意味では宮崎駿は一生真男の映画は作れないと思うし、彼自身が真男ではないんだと思う。だからストイックなようなファニーなような統一感のないへんてこな空気がずっと流れていて、最後まで何かぎこちなかったし、正直、これってギャグなんかな?とも思いました。・・・ギャグだったんかな?マジで。

それはまぁ判らないけど、宮崎駿的なくどくどとしたメッセージ性を感じる部分もなかったし、楽しくて面白くて、素直に「娯楽映画だなぁ」と思えたし、でもだから、いつものジブリ映画に比べると弱い部分があったのも確か。コッテリ系のボリューミィな肉料理を食べようと意気込んでいたけど、実際食べてみたらマグロの肉で、美味しかったけどちょっと肩透かし。みたいな感じ。

ただ、最後の最後まで豚は豚だったのが良かった。ラストシーンの心憎さに「ぉわ☆」っと目がほころんだもん。そして女子の目がほころぶ時点で、やっぱりこれは男の映画ではないんだと実感した。あとね、最後の殴り合いのシーンで豚のサングラスのフレームが片方歪んでハート型になっていたのが妙にキュートで、ますます目がほころんだよ。

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08.09.25 記

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)ロボトミー ぽんしゅう[*]

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