この映画を見て大分たってから、ヘンリー・ジェームズの「デイジー・ミラー」を読んでみました。デイジー・ブキャナンが登場する「グレート・ギャツビー」はまだ読んでいませんが、どちらにしても、青年の純情に一本気におつき合いしてくれるヒロインではないようで。

自分の名前（本名）と同じ名前のヒロインには、まだお目にかかったことがありません。適度に古風でいて古くさくなく、結構気に入っているけれど、親戚のおっちゃんと電気屋さんに「いい名前だねえ」と言われた程度。欧州社交界ではめを外す悲劇のアメリカ美女にも、金持ちに目がくらんで恋人を袖にし、さらにその男を奮起させるオンナにも、かなり縁遠い感じです。

何にしても、映画の内容そのものとは全く関係ない話なのですが、マシュー・ブロデリックが口説きとも小話ともつかない調子で、「好きなヒロインの名だ」と言われるのにぴったりな人が「デイジー」役でよかったと思います、「ペネロープ何とか」さん。