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[コメント] 雨あがる(1999/日)

ほーっとする映画。なんとも言えない爽快感。でもあのお侍さん、わたしゃ好きになれない。爽快さでは単純明快な殿のほうが上をいってると思う。ナイスキャスティング (ですよね?)
スパルタのキツネ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







負かした相手に「大丈夫ですか?」って、勝負の世界でそれはやっちゃいけない。勝負に生きる者にとって、侮辱と捉えられるのは当然だと思う。

賭け勝負についても「何をしたか?ではなく、何のためにしたか?」の妻の一言でOKとなるのも変だと思う。勝負の世界は理由よりも結果。その結果で、泣いたり笑ったりするわけですから・・・。賭け勝負に負けた町道場の主にしてみればプライドもあるし、職を失い食いっぱぐれてしまうからには、宿で困った人がいたからといって、剣に弱い町道場は困らしてもよい、ではおかしいと思う。勝負に勝つということは、時として相手の人生をも奪うことになるのだから、そこは微笑みで済まされる話しではないと思う。

そして、颯爽と去る二人・・・。

確かに爽快な作品だ。でもこの爽快さは、映像表現は当然のこと、人物では主人公夫婦というより殿様によるところが大きいと思った。あの豪快で単純で大味な殿様でなかったら、主人公の爽快さは半減していたと思う。黒澤映画は、この殿様のように輪郭の濃いわかりやすい主人公が醍醐味だと思っていたのだが・・・、黒澤カラーと小泉カラーをブレンドしてもう一つとなってしまった感あり。ちなみに小泉カラーを前面に出した『阿弥陀堂だより』は良かった。

(評価:★3)

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