[コメント] やくざ戦争 日本の首領(1977/日)
主演として鶴田浩二がここまでコケにされた作品はかつてなかった。
侠客ではなく義のない「ヤクザ」を演ずるミスキャストもその一因だが、鶴田の精彩を欠く演技にはがっかりさせられた。これまで後輩の高倉健や藤純子らの主演作品に「助演」として数々の出演をしてきた鶴田だったが、彼が登場するや場の空気はすべて彼のモノになっていた。数々の大スターの主演作品すら「鶴田浩二」の登場で一変してしまってきたではないか。
70本近くの多くの鶴田浩二の作品を観てきて、彼と対等、もしくは彼を超えるオーラを放ち「場」を支配する事が出来た俳優は丹波哲郎だけだった。
しかし今回は佐分利信に「すべて」を持っていかれた感がある。ドラマも芝居も、そしてオーラさえも・・・
東映の誇る綺羅星のスターが総出演の作品にあって、当然のように鶴田の名が一番最初にあった。だが、実質は佐分利の映画だった。これまで助演ですら名が最初にクレジットされていたような作品もあった。しかしそのオーラはクレジットに値するモノを放っていた鶴田。それが本作ではまさにオーラもなく、ファーストクレジットが何やら恥ずかしいような気までしてしまう。
嗚呼、私の敬愛する大スター鶴田浩二。何故か貴方がとても小さく見えてしまう作品でした。東映は鶴田浩二に対しこんな画を撮って良いのだろうか?彼の東映に対する功績は並大抵のものでないことは分かりきっているだろうに・・・
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