[コメント] ザ・セル(2000/米)
自分の中にもあるかもしれない世界を「美」ですませられるか?
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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悲しかった。
驚愕の映像。しかし,あれを映像「美」と言ってしまっていいのだろうか。たぶん,自分の心の中にもあれ以上に奇妙な,残酷な世界が眠っている。そんな気がする。それを,「美」と言っていいのだろうか。
ラスト近くで,キャサリンは他者の中の「怪物」を抹殺する方法を見つけた。しかし,それには他者の中にある「救い出したい部分」を見捨てるという,痛みが伴う。痛みを感じ,キャサリンは涙する。そしてキャサリンは,その方法を元々のクライアントである意識不明の少年に対しても実行するつもりだと,最後の最後に話す。その映像で映画は幕を閉じる。結末はどうなるのだろうか。他者の世界の「怪物」と,「救い出したい部分」が不可分だとしたら。見たところ,少年の中では,両者はスターガー以上に,融合している。だとすれば,悲しい結末が待っている。
悲しい。悲しみが充満している映画
追加。MTVみたいだって意見もあったりするらしい。夢はそもそもMTVのようなもの。何の脈絡もなく,そのくせ意味に満ちあふれている。夢というものはそういうもの。少なくとも私の夢は。自分自身のポテンシャルを越えて展開する圧倒的な情景に,ただただ感動し,そして疲弊する。
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