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[コメント] トッツィー(1982/米)

本作でオスカーを得たラングはスピーチで「主演女優ダスティン=ホフマンのお陰です」と語り、オスカー名言の一つとして残っているそうです。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 1982年はハリウッドには面白い年で、この年の作品には妙にジェンダーフリーをテーマにした作品が多い。本作はその筆頭だが、他にも『ビクター/ビクトリア』、『ガープの世界』など、かなり評価された作品の中にジェンダーフリー映画がいくつもあった。勿論それぞれ脚本はしっかりしているし、テーマも違っているので一概に括ることは出来ないが、その中でノーマルな男性の女装という本作は面白い位置づけにあるとは言えよう。

 その中でも最も評価されているのが本作で、1983年全米興行成績2位。更に数々の賞にもノミネートしている。それも全てホフマンという俳優を主人公に選んだことが最大の成功点だとは言えるだろう(実は本作の企画立案はホフマン自身で、女性役をやってみたいと持ち込んだことから始まったそうだが)。

 確かコメディは初挑戦だったはずだが、割と小柄な体格と、どうやっても女性には見せられないような風貌を女性にしてしまったと言うのが、妙なギャップとなって、絶妙なはまり具合を見せていた。最初の内痛々しく見えているのが、徐々に本当に女性に見えてくるところもホフマンの芸達者ぶりと言うべきだろう。本来痛々しさを笑うはずの作品が、徐々にさりげなくだが男とは?女とは?と言う感じに変わってくる構成も良い。これを突き詰めていくとコメディの枠を飛び越えてしまうので、その辺のほどほどさがコメディのスパイスとして上手く機能していた感じだ。

 ホフマンはかなり髭の伸びが早い上、メイクにかなりの時間がかかったため、ドロシーの出演シーンは徹底的な早撮りで撮られたが、何せそれがメインの話。撮影そのものもかなりの短期間で終わってしまったとか。尚、ポラック監督自身がドロシーのエージェントとして登場している。

(評価:★3)

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