[コメント] ザ・フライ(1986/米)
この手の怪奇映画はショッキング・シーン連発が多いが、これは淡々と、しかも徐々に恐怖が増してくる。こちらの方がはるかに「怪奇」にふさわしい。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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これはギリギリで私の好みに引っかかる作品。人物の捉え方が実に良い。
クローネンバーグのフェティッシュな世界観は好きだが、この作品はそっち方面と言うよりは、むしろグチャグチャな怪奇映画と言った風が強い。それはそれでいいじゃない。
これは『蠅男の恐怖』のリメイク作品なのだが、科学的な矛盾をしっかり吟味し、しかも徐々に身体が変質していく事への恐怖が良く表現されていた。恐怖をはねのけ、何とか順応しようと努力するブランドルの姿は涙を誘うし、それがラストのカタストロフへの重要な布石となっている。
ラストの蠅男の姿はひたすら哀しい。色物で見られることの多い本作だが、映画としての質は非常に高いと思う。
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