[コメント] ハッピー・デス・デイ 2U(2019/米)
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スマッシュヒットを記録した『ハッピー・デス・デイ』から二年後に作られた本作。前作の完全なる続編として作られた話で、登場人物も基本的に同じで、何故一作目でツリーが同じ一日をループする羽目になったのかの解決が描かれる話となっている。
だから二作を合わせてしっかりした一本の作品に仕上がったとも言える。
この作品の場合、最初に登場するのはライアンという男。彼は一作目にも登場した男で、ツリーの彼氏となるカーターのルームメイトで、一作目の冒頭で下らん冗談を言って追い出されるだけの役だった男である。そのライアンが一作目のツリーと同じくループに巻き込まれる。それでまた真相究明をするまで延々とループするのか…と思ったら、あっという間に真相は究明され、ライアンはループから除外されてしまう。
ライアン主役で一作目と同じになるだろうと思ってたこっちとしては、この意外な展開に驚くのだが、今度は又してもツリーが同じようにループに巻き込まれてしまうようになってしまう。
それで、これからが焼き直しか…と思ったら、又してもおかしな具合に。同じ時間軸の話のはずなのに、一作目とはシチュエーションが全く異なるのだ。ツリーを殺す真犯人も違えば、死んだはずのツリーの母親も生きている。
その理由は世界線が違っているからと説明される。この辺で頭が混乱してくる。
それでループと世界線の変化は全て一つの装置が原因であることがそこから分かってくる。それこそライアンが卒業のために作っていた量子反応炉だったのだ。一作目から本作に至る全ての元凶はライアンにあったことが分かってしまった。
そうなると、本作の目的は死を回避するのではなく、量子反応炉を正常に起動させることとになっていく。そのため敢えて自殺も含めて死を繰り返しつつ、ツリーは先の世界で得た知識を用いて量子反応炉を少しずつ改良していくことになる。
なんともはや。一作目とは全く違ったものになってしまった。続編の本作はほとんど怖いシーンはなくなってしまって純粋に科学的な話になっていく。
これは本当に感心出来た。ホラーとしての面白さを完全無視してながらちゃんと完結しているのだから。一作目のヒットにあぐらを掻かなかった決断に敬意を表する。
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