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[コメント] タンゴ・レッスン(1997/英=仏)

監督自身の体験をそのまま映画化し、登場人物はすべて本人というとんでもないものを作ってしまった。これぞナルシズムの頂点をなす作品。
甘崎庵

 映画本体は抑えた演技と見事なタンゴ。絶妙なカメラワーク。そして現実世界はモノクロームに満ちているのに、時折サリーのイメージに挟まる映画のヴィジョンはカラーを用いるという面白い構成となっている。実に異例なことだらけで、本当に興味深い作品に仕上がっている。特にサリーのヴィジョンというのが、実に奇抜なので、突然挿入されたカラー画面はどきっとする。

 ただ惜しむらくは、ストーリーにメリハリが全然無いと言うところ。演技については何も言わなくても、せめて物語にもう少し山を演出すべきだったのではないかな?そこまで実録にしなくても良いんじゃないかとさえ思える。ダンスシーンがかなり見応えある分、それが本当に惜しいなあ。

 数々の実験的手法によって撮られた映画。と言う位置づけで見るべき作品なんだろう。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)いくけん

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