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[コメント] エビータ(1996/米)

 マドンナの映画で良かったのは本作くらい。でも一本でも良い映画があるんだから、それで充分でしょう。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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 外国から観たら悪女として、国内ではそれこそマドンナのように崇められているエビータ。複雑なキャラだが、実際本作から与えられる印象は、単に負けず嫌いで、あらゆる物事をプラス思考で突っ切る、実際はかなり単純な女性だった。それがたまたまこういう波に乗ってしまったんだろうな。と思わせてくれる。歴史の一面というものをしっかりと描いてくれていたよ。

 マドンナ主演作はこれまでもいくつか観てきたが、この人歌手としては確かに実力あるけど、演技者としては今ひとつというか、ちょっと大根では?というレベル。

 本作も長らく観る気がない映画だったのだが、一旦これを観て完全に考えを改めた。これは凄いじゃないか。マドンナは確かに演技者としては失格かも知れないけど、ミュージカルだったら充分。いや、人間よりも凄いのは演出の方。流石ロングランしたミュージカルだけの事があって、演出は見事にはまってる。悲惨な生活からどんどんのし上がり、その度に打ちのめされて、更に強くなる。という過程も良い。

 あと意外なのがバンデラスの歌の上手さ。フェロモン全開のラテン系男性にはラテンの物語がよく似合う。今回は狂言回しで終わってしまってたけど、存在感だけは充分。

(評価:★4)

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