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[コメント] ロスト・ワールド ジュラシックパーク(1997/米)

恐ろしい話だけど、これ観てるとまだ『GODZILLA ゴジラ』の方が笑えた分良かった。と思えてしまいます。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 強いて言えば、正統的な続編として無難にまとめたか?と言った感じ。

 それじゃ正統的な続編って何だ?と言う話になるのだが、だいたいより派手に、人間的な物語性は低くとパターンは決まっている。ましてや本作は人間ドラマを観る作品じゃない。恐竜が暴れまくっていればそれで満足できる作品なのだから、そう割り切りさえすればこれで十分な作品だろう。

 限定された空間から飛び出て、町中で恐竜が存分に暴れ回る。これだけでも相当なカタルシスは得られる。怪獣であれ恐竜であれ、その存在には対象物が必要であり、それが見慣れているものであれば、更に楽しさは増す。恐竜が町中で暴れる。主題を偉大なる先達に倣って『ロスト・ワールド』(描写的には『キング・コング』(1933)とか『怪獣ゴルゴ』まで入ってる感じだが)としたのは伊達じゃないってことか。

 …そこまではまあ良い。だけど、本作には大きな問題があった。

 やっぱり今の時代の街中だと、恐竜の巨大感が今一つに感じられてしまった。実際あれだけ無人島では迫力があったはずの恐竜が、一旦街に出てしまった途端に個性が無くなってしまう。

 先ほど言ったことと矛盾するようだが、普通これは見栄えがするのだが、その分今までに散々使われてきたのが問題。巨大トラックやエイリアンなどで手を変え品を変えて出され続けてきたため、描写自体が見慣れたものになってしまったようだ。そのため恐竜ならではと言う個性が急激に薄れる。結局最後はチェイスシーンだけで終わってしまい、終わり方もやや中途半端な感じ。恐竜の描写が悪くないだけに、ありきたりな出来になったのがかなり残念。

 残念ながら、これだけでは『ジュラシック・パーク』自体を駄目にしてしまった感じがある。派手なだけで、映像に色気が無さすぎた。それに前作ではティラノサウルスよりもヴェロキラプトルの方が怖い。と言う面白い発想に持っていったのに、ここでは単にでっかいティラノサウルスが暴れて終わりなのも、ひねりがなさ過ぎ。小説版は結構読める作りだったのに、映像化すると陳腐化するものだな。

 丁度同時期に『GODZILLA ゴジラ』(1998)があったのもマイナス点だったかも?。あれは「ゴジラ」のリメイクとしては最低の部類だったけど、ぶっ飛び方だけは本作の上行ってたので、あれの後で本作観てしまうと、更にこぢんまりした印象を与える。  単に派手なだけじゃなく、これならでは。と言う映像を見せてほしかった。特に曲がりなりにも作ってるのがスピルバーグなんだから、それくらいはやってほしかったもんだ。  スピルバーグはなんでこんな安易な続編に走った?金のためか?

(評価:★2)

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