[コメント] 戦艦ポチョムキン(1925/露)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
本作と出会ったのは10数年も前の事。私が大学に入学して程なくして。これを劇場でもビデオでもなく、大学の講堂の特設スクリーンで学生内のさる団体が放映した。本作の名前は知っていたし、映画自体に興味もあったので、一人でそれを観に行ったのだが、入場の際、住んでいる下宿先と名前を書かされた。
映画が終わってスクリーンの前に進み出た男が何やら語っていたようだったが、興味の持てる内容でなかったので、そのまま外に出て、その日は終わったのだが、後日、下宿先に何かの集会の葉書が来ていた…
こうしてずるずると私はその某団体につきあう事になった…典型的なキャッチに捕まったアホだったと言うわけだ。笑わば笑え。
尤も、やる気のない私にそんな活動が長続きするわけはなく、半年ほどで辞めてしまったけど(今から思うと辞められて幸運だったな)…
それは兎も角、映画自体には大満足。と言うより圧倒された。特にモンタージュ合成で話題となった階段落ちのシーンは凄い。なだれ込む民衆が銃によってあっという間に方向転換し、逃げまどう様とバタバタと倒れていく争いのダイナミズム。争乱と、争いを本来知らないはずの赤ちゃんを示す乳母車の対比。絶望にうちひしがれた彼らの目に映る希望…
前作『ストライキ』で止まった時がここに来て動いている。しかもそれは歴史の潮流となって。画面にのめり込みさえ出来れば、その圧倒的な渇望、絶望、歓喜へと移る怒濤のシーンを自分のものとして思う事が出来るだろう(って、なんだこりゃ?オレの心の中ではまだ昔の想い出が生きてるのか?)。
監督って本当に多量の人間を使ったグチャグチャの混乱を描くのが上手い。その後何本かの監督作品を観ていて、本当にそう思う。
この作品が★4なのは、そう言う意味があって、どうしても気分的にマイナス1点を付けざるを得なかったため。
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