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[コメント] ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海の大怪獣(1970/日)

もしここで宇宙生物に乗っ取られるのが佐原健二の方じゃなくて土屋嘉男の方だったら、「宇宙人に乗り移られやすい体質」と大笑いできたのに(笑)。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 東宝が作り上げた“非ゴジラ”の最後の作品。一番最初に最も素晴らしい作品を作り上げてしまった東宝の苦悩が現れているような気がする。ゴジラを作ればそこそこの作品を作ることが出来るが、既にこの時までにゴジラのパターンは出揃ってしまい、怪獣プロレス路線で固定されてしまった。新しい路線を作り上げることで怪獣映画を新しく作り続けたいという思いがあったものと推測される。事実、名前はともかく、ここでの人間型から離れた怪獣達の生き生きした動きは一見の価値があるし(1/1のゲゾラの脚やゲゾラのハサミなども作られている)、路線も人間を主軸に置いた明るい作風になっている。

 ただ、奇をてらわずに作ったお陰で、結局特色のない作品だという事にもなってしまった。それだけに怪獣ブームの低下を押さえる切り札には成り得なかったと言う、悲しい宿命を背負った作品でもあった。画期的要素も感じられず、どこか前に観た作品から色々引っ張ってきて、地味目なまま終わってしまった。既にテレビで『ウルトラマン』、『ウルトラセブン』が作られていたのだから、映画はもっとぶっ飛んで欲しかったというのが本音。

 東宝オールキャストで作られているため、お馴染みのキャラクタが次々登場するのは嬉しいところ。特に今回は土屋嘉男がパワフルな博士役で登場。こいつ絶対学会の異端児なんだろうな。とか思わせるのはさすがに上手い。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)水那岐[*]

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