一応見る前からこの映画の内容をある程度知っていたので、最初からこれは 「再臨したキリストの受難物語」のバリエーションだな、と思ってみてたんだけど、それにしてはキリストを迫害する人間が出てこないのが不思議だった。 悪人は出てきても個別的だし、善人は善人、悪人は悪人なので、 人間の一般的な悪がキリストを迫害する、といった構図では描かれない。

この映画でキリストを迫害しているのは なんというか、刑務所が代表するシステムのようなもので、人間がどうのというのはほとんど出てこない。むしろ迫害されるのはキリストだけでなくシステムの一部として働く人間も迫害されているという状況が描かれる。

なるほど再臨したキリストは迫害されるが、それは人間によるものではなく、システムによるものだ。というのがこの物語のテーマなわけだ。と思った。 （これは最初から意図したものか、映画化に伴うキャスティング力学などの関係で妥協的にそうなったのか、原作を読んでないので判断つかない）

それにしても、なんかすごい変わったバリエーションだな、もしかして思いっきり誤解してるかも…と思いながら見ていると、あのラスト。。

結局この映画が何を言いたかったのかわからなくなってしまった。

言いたいことなんか別になくて、ちょいと寓話風にしてみたました？

リアルストーリー風思考実験フィクション？

とりあえず原作読んでみようと思った。そんな映画。