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[コメント] バハールの涙(2018/仏=ベルギー=グルジア=スイス)

私たちの暮らす「今」の話。私たちが知らないだけで、今もどこかで、女性たちが苦しんでいるかもしれない、戦っているかもしれない。これは映画だが、起きていることは真実。
プロキオン14

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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もちろんこれはバハールら「太陽の女たち」の姿を描いた話だが、重要なのは、そこに隻眼の女性ジャーナリスト・マチルダが同行していること。「真実」を世界に発信することの重要性をちゃんと据えている。かたや日本。拘束されたジャーナリストを「自己責任」の4文字で冷酷に突き放した。

ちょっと左寄りみたいな意見だが、「誰かが」きっとやってくれるという他力本願のぬるま湯にぬくぬくと浸かっていないか?もちろん無茶、無謀は困るが、もうすこし戦場に赴くジャーナリストの方々をリスペクトしてもいいんじゃないか?と強く思う。

本題を外れてしまったが、バハールたちの背景に、かつてISに拉致され、性奴隷にさせられた女たちばかり。彼女たちは弱音を吐かない。いや思っても、歌を歌って自らを鼓舞して戦う。「イスラムでは、女に殺されると天国へ行けない」という言い伝えがあり、恐れられている、というのは興味深い。

そしてバハールが強い。本当に強くてかっこいい。マチルダもかっこいい。日本のアニメで美少女達が銃を持って戦うようなものがあったりするのとは「次元がちがう」リアルさを感じる。映画という絵空事だけどね。

(評価:★4)

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