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[コメント] スペシャルズ! 政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話(2019/仏)

内容は置いといて、邦題は「寿限無」か!
プロキオン14

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







原題直訳は「規格外、並外れた」という意味。そこからの英語題が「The Specials」なのかな?。だから邦題の「スペシャルズ!」までは全然大丈夫なんだが、そのあとの副題の長いこと長いこと。

そもそも「政府が潰そうとした」というと、なんだか悪意に満ちた陰謀のようだが、これは「無知」からくる「無理解」といった感じだと思います。規格外のものは「正しくない」と思われているのかも。

でも、主題は「それ」じゃなく、あくまでも主人公2人と、「正義の声」「寄港」のスタッフたち、そして関係者たちの、日々の努力の賜物。もう朝から夜中まで、心休まる時間がないくらいの慌ただしさ、戦場さながらの日常。その裏にある、ある意味「無償の愛・献身」が主人公2人から滲み出ている。

新人介護人の黒人青年ディランと、彼がサポートするヘッドギアの少年ヴァランタン。ディランがちょっと目を離した隙の事件は、本当にハラハラ。療法士の女の子の事を考えてる暇はないよ!

主人公2人は熱演。特にカッセルは渋くて素敵です。お見合いを次々にセッティングされるが、仕事のことが忙しすぎて、まったくいい雰囲気にならないのは、とても残念ですが、その余裕がないのも当人は判っている。

カテブも、子供たちと介護と、サポートをするスタッフの育成に、毎日神経をすり減らす。この二人にはモデルとなる人がいて、監督が20歳の時に出会い、彼らの物語を映画にしたいと思ったという。その時点では無理だったが、彼らとの交流は続き、そのなかで代表作『最強のふたり』は生まれたらしい。

とにかく、映画は始めから終わりまで、心休まる暇のない、それでいて見終わった後に「あったかい」気持ちになれる映画です。長すぎる副題からは想像もできないぐらい。そして実際の二人と、スタッフたちに、心からの称賛を送りたい。

(評価:★4)

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