[コメント] 明日、君がいない(2006/豪)
その空は常に鉛色だった。
この映画の観方は実に難しいな。観終えた後まず思ったことはそんな所だった。
話としては青春の闇といったなんとも陳腐な言葉を使うと、 そういった事に注目し、その帰結が生み出した最悪の結末を描き出している。
私はその最悪の結末を誰が迎えたか? といった観方でこの映画を観た。 所謂ユージュアル・サスペクツやソウと同等な楽しみ方だ。
人によっては「なんて不謹慎な」というかも知れないが、 恐らくこの監督も裏テーマとして、こういった要素を狙っているだろうし、 実際、そういった映画が好む演出技法が盛り込まれている。 感情の機微や要素をもらさずに見るのは映画としての緊張を見る物に強い、 なかなか面白さを伝えている。
だが、類型的な登場人物の作り方が故に結末が読めてしまう。 とはいえ、そういったキャラクターが故にあのような結末も 納得できる。理詰めで組み込んだパズルのピースが最後の最後に全て嵌ったような感じだ。 しかし、当たり前だが終わった後に爽快感はない。映画で印象的だった 鉛色の空模様のように。
最後に1つ。監督に言いたい。 若造! このような落ちを使っていいのは1回だけだ! 二度目は無いぞ! あと、上映劇場においてあったメッセージボード。必見です。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (1 人) | [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。