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[コメント] 暗殺者の家(1934/英)

邪道な楽しみ方ですが、全てを見終わった後でもう一回冒頭に戻ることをオススメします。冒頭の10分余りが、言ってみれば映画の裏の解決篇。
くたー

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ルイの狙撃のクダリに至るまでに、ブローチや妻の射撃の腕やローレになつかない娘はもとより、「汚い犬」など何気ない会話に至るまで、ほぼ伏線のみで話が展開していることに、あらためて驚かされます。何というフェアな仕事なんだ、と。

物語の進行に合わせてテンションが加速度を増す演出も冴え亘り、劇場でのヒッチらしいカットバックや、銃撃戦の内と外の描写の配分から屋根でのサスペンスに至っては、ほぼ完璧です。歯医者のシーンでの優勢劣勢の逆転も秀逸。精神的優位を描くのに、おそらく歯医者というツール以上のものはないでしょう。先に相棒の悲鳴のみで恐怖を喚起したり、目眩ましという逆転の発想のライトの扱いなんかも唸らされるばかり。

とはいえ、ピーター・ローレ。演技云々以前にローレの童顔にあのとっちゃん坊やのような髪型は、それだけで怖いデス。

(2007/2/3)

(評価:★4)

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