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[コメント] ラスト・オブ・イングランド(1987/英)

再見。恐るべきプライベート・フィルム、とあらためて思う。
くたー

黄昏の光、青い光、深海の中を彷徨う光、空ろにゆれる炎、ひどくもどかしく対象を彷徨うカメラ、早回しの性急な動き、イメージのフラッシュバック・・・。ラディカルなように見えて、全ては世界の終末から振り返って見る風景のように、ひどくノスタルジックであったり、甘く感傷的であったり、ペシミスティックであったり。見る度に息を呑み、捉えどころのない切実な感情に襲われる。

自身の幼少のプライベートフィルムを挟んだりしていることもあって、ごく個人的な映画らしい。監督自身が何を伝えたいかは未だよく分からない。ただ何がしかの切実な感情が撮らせた映画のような気がしてならない。完成度を極めた映像ながら、様々な感情を孕んだイメージが、こちら側に襲いかかってくるような凄みを感じさせる。一瞬のように過ぎる90分弱。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)tredair[*]

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