コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] ベッカムに恋して(2002/英=独)

白人>非白人、イギリス人>非イギリス人の絶対的ヒエラルキー。それを上手く嫌味に見せなかったのは、まさにスポーツど根性パワーのおかげ。
Alcoholic

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







イギリス白人=ジュールズ、アイルランド人=ジョー、インド人=ジェスがスポーツを通して世の中の偏見を乗り越えていく!ものすごいありがち。ものすごいありがちだけど、ここまで素直に出したイギリス映画というのは珍しいのではないかと思う。

もうひとつポイントになるのが、インド系英人が主人公であり、恋に落ちるヒーローがアイルランド人であり、親友兼ライバルであるのがイギリス白人である、ということだ。例えばこれが、イギリス白人が主人公・アイルランド人が恋人・インド系英人がライバルで最終的に主人公を応援するとしたら?そんなのはおとぎ話だ。おとぎ話に名を借りた「絶対的イギリス白人の力」を感じるだろう。インド系英人が主人公のままでも、ヒーローがイギリス白人だったとしたら?そこに漂う偽善・欺瞞を、私たちは感じただろうと思う。これはまさにキャスティングの妙である。

ジョナサン・リース・マイヤーズにはびっくりした。か、顔が筋張っちゃってるじゃん。『ベルベット・ゴールドマイン』のころの彼はどこへ・・・?やっぱり彼の美しさの頂点はあのころだったのね。と、ものすごい凹んだのだが、見てるうちにやっぱりメロメロになりました。あの時しか『ベルベット〜』は演じられなかっただろうし、この映画でジョーを演じられたのも今だからこそだろう。本当にアイルランド人だ、という説得力もあったし。

それにしてもあの、何と表現したらいいのか、鼻をじゃれさせる(?)キス。私の鼻じゃできません。悲しい。あれに切実に感じてしまった白人優位社会。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。