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[コメント] モンスター(2003/米=独)

もう死のうとしていた女が生まれて初めて、愛を持ち得たと思い込み、相手の誘導に心の緊張が溶けて殺人を犯してゆくといった実話。クルマを得るためにだけ殺戮を繰り返す描写からは気持が入ってゆかず、俳優の演技のみが焦点になっていく自分を感ず。
セント

人間として初めてまともな感情を持ち始めた時が、その人の転落のきっかけだったというのもまさに映画的だが、彼女の悲惨が僕の心に全く触れないのは何故だろうか。

映画の出来が悪かったわけではないと思うが、彼女たちの個人的な映画にしてしまった脚本は僕らとの接点がなさすぎる、と思う。

もっと、広角な視点からの映画にしなかったのは何か理由があるのか、、。

確かに、S・セロンのデブっぷりとブス化粧はすごい。こんなに変わられるもんかと、ファンはゲンナリする。本当の彼女のファンでないと、まともに見れない感じだ。相手役のK・リッチーもだいたい決してきれいとはいえない女優なんです。

ですから、この映画はまず観客に見る、眺める、といった楽しみを奪う所から始まる。 で、後はこのモンスターと呼ばれた女の人間から僕らは何を感ずるかなんだが、彼女は哀れ、犠牲者なんで、それもかなわない。

むしろモンスターはK・リッチーの方が相応しい気がする。ああいう小悪魔って結構いるよね。そんな感じだな。S・セロンはむしろ男っぽい演技をしているので、まあ、ちょっと頭の弱い男だと考えてもいい役柄を演じている。

そう考えてゆくと、この映画って、大きさが感じられなくなってくるんだよね。 まあ、女優の演技は恐ろしげナルものがありますよ。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)はしぼそがらす[*] わっこ[*]

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