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[コメント] ザ・サイト 霊界からの依頼人(2000/英=米)

目新しいネタではないが、小刻みに放たれるアンダーソン色。不気味な演出はセンスを感じる。『バイオハザード』の前年に、しかもTVMを撮った経緯は一体何だ?もう少し製作費をかけて劇場公開作にすれば上出来な秀作になったかも…ね。
ナッシュ13

**ネタバレ注意**
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俺のPWアンダーソン監督に対するイメージは「海外のアキバ系監督」という酷いもの(笑)。これも来日した時に秋葉原を歩きながらガンダムや日本のアニメに対して熱く持論を展開していたのが悪い!!(いや、素晴らしいことだと思うが)。案の定、『バイオハザード』はそんな意識が見事に感じられる作品だったしね。定評のある映像センスがモロに出されたものだった。

そんな『バイオハザード』の前年にTVMとして製作された本作。ミステリーやスリラーといった要素を前提に亡霊だとか霊視などといったオカルトを扱っている。前半にマイケルが体験する不思議現象から、その真相を掴むまでのくだりは結構面白い。老婆を轢き、遠目のアングルで佇む群集。マイケルの手助けをせずに佇んでいるだけ。そして、これまた遠目のアングルで教会や周辺のビルの灯りが一瞬にして消える。そしてまた点灯する。すると、群集の姿は消え、マイケルは訳が分からなくなる…。そんな映像センスを駆使した、ちょっとした演出が意外に面白かったりするのだ。

ネタとしてはなんのことない。マイケルには霊視能力があり、老婆から重要な役目を引き継ぐのである。切り裂きジャックの模倣かとも思われる猟奇殺人事件が、実は50年ほど前のあまり有名でもない連続殺人事件の模倣だった…というだけである。それでいて、真犯人は警察内部の人間というB級映画にありがちな「タブー」オチでもある(苦笑)。後半は事件の収拾で精一杯な感が否めない。おそらく、アンダーソン監督のセンスを全て排除してしまったらアメリカで大量に製作される「詰まらないスリラー」でしかない作品である。そういった意味で、彼の技量を感じる為には最適の作品なのかもね…。

(評価:★3)

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