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[コメント] 容疑者 室井慎次(2005/日)

物語の核は希薄。しかし魅力的なキャラと設定は作品を牽引する。スピンオフ最大の武器は楽しむべき。警察をえぐり、自らの立場を熟考することがシリーズとして進化したのか退化したのか微妙なところだが、もう一皮剥けて欲しかったことも事実
ナッシュ13

**ネタバレ注意**
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スピンオフ第2弾として、『交渉人 真下正義』のようなスペクタクルな展開とは対極するかのような作品(人間ドラマ)であるが、これはこれで味わい方があると思う。妙な設定とキャラクターは「踊るシリーズ」の魅力的な部分で、このような地を貫いている点はこれまでの作品と同様。決定的なことはシリーズ中にあった、“仮にも”「重厚な人間ドラマ」を特別に抜き出している点にあると思う。もちろんスリーアミーゴスのようなお約束や灰島のようなキャラのユーモアは欠かすことができない。それは単純に、それだけでは室井の存在感が際立たなくなってしまうから…ということも考えられるだろう(笑)。シリーズのファンが何を求めるかによって評価が左右することは確実だろうが、少なくとも自分は、この作風自体は支持したい。

それでも事件そのものは起伏に乏しい。結果的に設定で楽しませていた感はある。ただラスト、工藤が「こんなくだらないことで……」と嘆くが、そんな振り回されるかのような表現は悪くない。また、室井が警官としての立場を再びかみ締めることになるストーリーに新鮮味はないが、そこにある小原の存在は大きいのではないかと思った。結局、彼女は室井にとって過去と現在をじっくり眺める鏡になってくれたのだから、、。これで小原がいなければ必然的に青島の存在が不可欠になってくるし、非常に物足りなくなったと思う。

最後に一つ。唯一触れられることがなかったすみれサン、、。ファンは残念だったかもね、、。俺は残念、、

(評価:★3)

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