コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] イカとクジラ(2005/米)

やっぱり運命は突発的ではなくてしっかりと過程があるんだなと。なるべくしてなる…そんな家族の運命的な岐路が、皮肉を込めて淡々と切なく描かれる。どこか突き放した監督のまなざしが良い距離感で味わえる。つまり結局は他人のお話なのだ
ナッシュ13

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







最後まで、決して作品(家族)にのめりこむことはなかった。スクリーンの中との微妙でありながらも絶妙な距離感が他人のお話として成立させるようだった。もちろん人それぞれ捉え方はあるだろうが。

こんな家族でも、家族は家族だ。親は子を、子は親を選ぶことは出来ない。だから世の中は不公平だと思う。それでも受け入れなければならないし、大切なのは家族にとっての「幸せ」はどんな形であろうと突き詰めていくことが可能だということだ。こればかりは受け入れるものではなく、模索していくもの。しっかりと歩んでいくものだろう。

この家族は何かを見失っている。脱却する術を模索しなかったことが容易に想像できる。家族は同居人じゃないんだよ、共同体なんだよと、監督は映画をもって描き抜いたと思う。そんな匙加減は素晴らしかった。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (2 人)わっこ[*] エツ

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。