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[コメント] デッドリー・フレンド(1986/米)

80年代の娯楽テイストが良い感じのウェス・クレイヴン流悲劇。そう、娯楽だけど悲劇な訳で、なんとも苦味の残る作品だが、それもクレイブンのユーモアとして一括りにできる。『ゴースト』の前哨戦だろうけど…こっちのほうが「映画」だね。
ナッシュ13

**ネタバレ注意**
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てっきりサムは生前(とはいえ脳死だが)のような快活な女の子に戻ると思ってた。しかし!仕方ないっちゃ仕方ないが、口も聞けず感情も曖昧な状態で、容姿はといえば、まるでゾンビのようなのだ。これは一応、いや、間違いなくウェス・クレイブンのホラー作品なのだから頷けてしまうものの、やはり観てると哀しい気分に陥ってしまうこと必至。家庭内暴力によって人生を奪われた女の子の悲劇が、やっぱり根底には存在している。クレイブンにしても、家庭内暴力を生々しく描写し、意図的に引き金を引いてしまっているのだが…(ここで監督お得意の「ナイトメア」を恐怖とグロで描く。これも必見)

その後、「復讐」という前半のあらすじに従った展開が続く。ポールはサムを匿おうと奔走する訳で、ある程度は読める展開である。極論を言えば、オチまで読める/想像できてしまうだろう。即ち、孤独な少女が、ポールと出会うことによって幸せを掴み取ろうとした前半〜中盤が全てだからなのである。黙々と復讐していくサムと、何も出来ずにあたふたするポールと観ていると「ああ、やっぱり悲劇なんだな」と思い出してしまう。どうせなら分かり切ったオチなんて観たくなかったりする…。案の定、オチはやっぱりオチだったが、サムがポールへの意識を辛うじて取り戻すシーンは、分かっていても切ない。欲を言えばポールの苦悩が終盤に向けて全開して欲しかったが、そうなるとまた難しくなるのかもしれない。なんてったってクレイブンの作品なのだから…(ほら、やっぱりポールが遺体を運び出そうとする締め括りが全てだw)

(評価:★3)

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