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[コメント] MUSA −武士−(2001/韓国=中国)

予告編見て嫌な予感しながら鑑賞したら、その嫌な感じが二時間も持続するのだからたまったもんじゃない 2004年2月22日劇場鑑賞
ねこすけ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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この映画は韓国アカデミー賞の編集賞を受賞しているそうです。いやぁ、驚いたのなんのって、脚本とか演出の酷さ以上に編集がめっちゃくちゃ下手糞。予告編の地点で「ぉぃぉぃ」とか思ってたけど、それが二時間持続。どれだけ話が面白かろうと、こんなのじゃだれちゃいますって、俺だけか?

確かに俳優個々の動きは良いかもしれない。特に槍使いの兄ちゃんの動きは素晴らしい。だけど、どれだけ俳優が頑張った所で、画面をガタガタ揺らしながら細切れ編集で見せられる為、何をやっているのか良く分からない。俳優が可哀想。集団戦闘に於いて、一番大切なのは個々のアクション以上に位置関係とか状況の把握のし易さでは?その編集に力を注ぐべきなのに、この作品はあろう事か俳優の顔を撮る事に専念する。故、良く分からない事になってる。だから緊張感なんて皆無。迫力があっても何やってるか分からなかったら意味が無いでしょうが。

おまけに脚本も何か薄っぺらい。大体登場人物皆どうも薄っぺらい。自分の弱さを必死に隠そうとする主人公っぽい若い将軍に関しても何か薄っぺらいし(っていうか、彼、顔はカッコイイし、アップになった時に見えるド本気の目はメチャクチャカッコイイくせに、期待させる割に弱いんだよね。すぐ敵にやられちゃう)、槍使いの奴もアクションこそ良くてもイマイチ厚みが感じられない。他にも、下っ端の兵士が年寄りや妊婦やらを自分の家族に見立てて必死に守ろうとする姿はそれなりに良いんだけど、何故だかこれらもまた、薄っぺらく感じる。

思うに、この描写が薄っぺらいのではなくて、そこに至るまでに観客(っていか俺)がだらけちゃってたからだと思う。アクションシーンのつまんなさと、意味の無さ。展開の強引さ。おまけに音楽のダサさ。予告で使われてる音楽こそは良いけど他の部分がどうもダサい。それに展開にメリハリがなくて、だらだらと似たような頭の悪い先頭を繰り返しているだけにしか見えないのも何かなぁ・・・

大体演出力があるのか無いのか良く分からないけど、戦闘シーンになっても一向に盛り上がらないのが不思議でたまらない。もっともっと悲壮感たっぷりに描いて欲しい。っていうか、この作品のクライマックスって、それを描かなきゃ何を描くんだ?

お陰で登場人物が「武士らしく死のう」とか散っていく姿も、バカがギャーギャー騒ぎながら自滅する話にしか見えず、劇場で一人イライラ。

最初、ストーリーを聞いた時「上手い!」と思いました。「敵の姫を守る」。「どうして敵の姫を守る事に俺達が命をかけなきゃいけないんだ?こんな奴敵に渡してしまえばいいじゃないか」「武士らしく死のう」みたいな、俺の好きな言葉も満載。自己犠牲だとか、男気だとかメチャクチャかっこいいんですよ。でも、編集がめっちゃくちゃだったから期待してなかったんですよ。そんで、そんな不安を感じながら蓋を開けたら、俺の好きなテーマは全て薄っぺらに語られるだけで、無意味で頭の悪い戦闘シーンが連続して続いて、しかもそれをド下手な編集で細切れにして台無しにしてるだけ。そんでもってストーリーは強引に、無理矢理前に進めるだけ、っつーどーしょーもない映画だった。

がっかり。

(評価:★2)

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